構成「空間」:ぶつかる場

空間の接合点-汀.pdf 直

【コンセプト】
汀とは、休息の為の地上と、作品の群れが泳ぐギャラリーの海を繋ぐ、波打ち際。


人々が作品を鑑賞し、活動の場であるギャラリーを「動」
休息する場であるカフェを「静」とした。
その境界にある空間の接合点を線として捉え、動を海、静を砂浜、境界である線は波打ち際に置き換えた。
波打ち際は、その字の如く「際」である。際の場に存在するものとは次々に引いては返す波の余韻であり、浸食であり、重なりである。境界である線は暖簾やカーテンといった仕切りをイメージしている。一枚の壁ではなく空気を含む布はその軽さから入りやすい仕切りであるが、隠れている部分が人々の期待感を煽る。出て行く際には、実際に仕切りを体で感じる事で余韻を残すのである。


ギャラリー空間は海中をイメージしているため地上よりも低い位置にし、展示スペースは海底の様子を表すように高低差をつけ多面的な展示になるようにしている。そしてカフェ空間は学外の人々にも利用しやすいように外側からも分かる屋外とし、扇型にすることで空間の広がりを見せている。

あんりょう・いわなが・きむら・にいどめ班

⇒teacher
二つの空間の接合面を「波打ち際」に例えたところは面白いですね!
“引いては返す”という言葉通り
「際」の部分と言うのは、グラデーション的に且つ玉虫色的に多面性を有する空間ですから
それを表す上で“カーテン”素材をセレクトした点も面白いと思います。
・・・が、模型を見ると、この曖昧であるべき空間が
妙に「線」として存在している事に少々の違和感を感じてしまいます。
カーテンのような柔らかい素材と共に
「光」のようなモノで空間の仕切り線を時間軸に沿ってあやふやにしてくれるような・・・
そんな仕掛けがあると更に明快になったのではないかと思います。