現地へ行くお金がない時に建築を楽しむ方法

はい、おはようございます、またまた登場、夜間特Gキムラです。
今日はレトロ喫茶でもなく、昭和ビルでもなく
TSUTAYAの百円レンタルで借りた映画から
Solomon R.Guggenheim museum特集(勝手に)です。
あの、ライトの螺旋建築をNYに行かなくても楽しめる2本です。


まず一本目『Someone to watch over me』という
Ridley Scottが『Alien』と『Blade Runner』の後に息抜きかと思うような感じで作ったB級映画です。
彼らしい映像へのこだわりは随所に見られるのですが
内容はとにかく突っ込みどころ満載です。


その中で主人公の刑事と浮気相手(超絶金持ち)がパーティに
行くのですが、その会場がGuggenheimなのです。

一瞬の外観と、内部が何カットか。それくらいですが
『Men in Black』の序盤でのエイリアンを追いかけるシーンよりは
美術館が美しく撮影されいると思います(笑



真ん中に展示された巨大アーミーナイフ…これ誰の作品だろうか気になる。


結局美術館はちょっとしか出てこないのですが、
あとの見所はOPの夜景とお金持ちお嬢様のお屋敷ですね。
お姫様ベッドや高級調度品がたくさん出てきます。
ベッドの装飾は真っ白な生地のドレープが美しくて良かった。
血腥いシーンでも、粘着質な感じではあるのですが
陰影を生かした撮影でとても良い。



もう一本は『The International』というTom Tykwerの2009年作品。
全米向けのポスターはGuggenheim Museumがモチーフになっていて、監督がどんだけこの美術館が好きかよくわかります。



しかし何故か日本向けポスターはまったく違い、驚くほどつまらなくなっているという…。
まあ確かに世界中を飛び回るという映画の趣旨は伝わるとは思うのですが
この映画の見所だけをシンプルに、恰好良く見せているのは全米の方だと思う。
曲線の比率を計ってみたくなる(笑


有名な建築物が、文字通りてんこ盛り、それらを空撮(俯瞰)と引き画を駆使した
映像美がたまらない映画です。
美術館と同じ内部を巨大な円形倉庫にまるごと作ったらしく、それを惜しみなく
銃撃戦でボッロボロにしてしまうシーンは、セットだと分かっていてもぞくぞくします。
これまでのどの映画よりもGuggenheimが堪能できます。
いやまあ、セットなんだけど。
以下のサイトで模型を作ったりセットを作って行く過程が動画で紹介されています。
http://www.firstshowing.net/2009/behind-the-scenes-video-of-the-guggenheim-shootout-in-the-international/

映画内のIBBC銀行本部はWolfsburgにあるVolkswagenの本社です。タワーになっている立体駐車場やアリーナが有名だと思いますが
外観のガラス張りも、円形の会議室みたいなところも、近代的ですごく
恰好良い。
以下、検索していたら見つかったIBBCのダミーサイトです。予告編では出てこない内部の写真があります。
http://theibbc.com/default.aspx


頭取の自宅もかなりモダンで特徴的なのですがモデルは今のところ不明。
イタリアはミラノ駅、Torre Pirelli(Gio Ponti設計)やらもありますが
終盤のブルーモスク(Sultanahmet Camii)が最高。内部も地下も出てきます。

屋根伝いに敵を追いかけるシーンの後ろにいつもブルーモスクが
映されていて、主人公よりそこばかり見てしまうという。
高所恐怖症の私は、もしトルコに行ってもこんな景色は絶対見ることができないので、そういう意味でも堪能できました。
内容は、正直及第点ですが
とにかく建築物を多いに楽しめる作品です。


Naomi Watts可愛いしね!


ちなみに、この2本の共通点その2は
邦題がいまいち。
Guggenheimの模型作りしてみたいーー。