構成「立体」最終課題:光をかたちに「燦至睡明」

おはようございます。
夜間特Gキムラ(06)です。


昨日の最終課題の作品を載せておきます。
『燦至眠明(さんしすいめい)』
眠りに至るきらめく光。

(本来は山紫水明という四字熟語に、今回のテーマに沿って字を当てています)


今回、光をかたちにするというテーマを与えられ
私が考えたのは
リラックス→眠りと目覚め
の光を形にしようということでした。

お風呂に入って、電気を消して、さあ寝るか!
ではなく、
ある瞬間にくる眠気が体を重くさせ、光に吸い込まれるように
眠りに落ちていき、またその光から目覚めが起きるという
イメージです。
実際に眠くなった時、瞼を閉じたときに見えるキラキラした光、
チカチカしたような感覚、真っ白になって寝てしまうような
逆らえない眠りです。


丸く照らす光が、空間の四隅に陰を作り、
ガラスのゆらめく光に眠りを誘われ、体が弛緩すれば
意識が遠のき、シーツの襞に隠れた陰が私自身を包む。
もう瞼は落ちたが、その目には煌めく光が散らばって
その奥にある真っ白な光が私を飲み込む。
そうして眠った後、また一条の光が射し
私は覚醒する。


けっして課題に追われて意識を失った後、部屋の電気を消し忘れて
眩しくて目が覚めたわけではありません。



全体を、中身と同じような形のガラスで覆いたかったのですが
作品の大きさから言って、予算も日程も技術も無茶すぎたようで
今回、一番の悔しさでもありますが、デザインには限界を知り
それを補う知恵が必要だと痛感しました。



ガラスの下にある、布で包まれた形は
アングルの描く女性の背中とその下に敷かれたシーツ、
またそれに触発されたマン・レイのアングルのヴァイオリンという作品の
曲線をイメージしています。
これらはまさに、『曲線美』を如実に表している作品で
あの柔らかさを目指しました。

徐々に陰を濃くした後に、ステンドグラスのような表現を持ってくることで
光の形が明確になると考え、黒ケント紙で縁取りを作りました。
明かりを消した時にも美的なものを損なわないように、
明かりをつけた時との格差が大きくならないように
トプカプ宮殿の中でも一番好きな螺鈿細工の文様を使いました。

立体は、自分の作りたい形をどれだけ細部までイメージできるか、
そしていかに美しく作れるか、が本当に難しく
最後に自分の作品を整理しながら冷静に見ると
ああすればよかった、と思うところが多々あります。
でも、授業の3回目くらいまでは混乱しまくっていた脳が
立体を作ることが楽しめるようになったので良かったと思います。
今回、板ガラスを切りに、太秦の工房に行って
今まで憧れだったステンドグラスが本気で作りたくなって
今回の作品を昇華させるのは難しいかもしれませんが
透明のガラスだけで作品を作ってみたいと思いました。

グラフィック専攻じゃ難しいのかもしれませんが、
がんばります。
今の基礎授業を一緒に取っているメンバーはとても刺激的な人たち
ばかりなので、「先生」呼ばわりされつつも、私を成長させてくれる
メンバーだと思います。ありがたいことです。


で、なにより
青木先生、ありがとうございました。


⇒teacher
最後の作品も“キムラ先生”らしい奥深い作品になりましたね!
きちんと課題の趣旨を捉えて
細部に至るまで実に見事に「意味」を持った造形に創り上げました。
太秦まで行った頑張りには脱帽です!


キミの「深い思考力」と「探究心」は
デザインを創り出す者としての十分なる素養を兼ね備えています。
空間系に来ても、良い作品創るんじゃないかなぁー?
まあ、取り敢えず来年の「構成立体」は助手で特別参加を・・・あっ、いやいや先生で!


是非とも透明ガラスでの作品づくりをして欲しいですね!
グラフィック専攻でも、ガラス表現で作品づくりは出来るんじゃないかなぁ〜?
僕の知り合いがガラスに描ける墨を開発したので
単なるガラス造形だけでなく、グラフィック表現も出来るよ!
キムラさんらしい発想で今後も作品づくりに励んで下さい!期待しています!!

お疲れ様でした!


そうそう、せっかく良い作品を創ったんだから
もっと自分の作品が魅力的に見える写真を載せようよ!
こんな感じの方が良いんじゃない?