構成「立体」思考の具現化 「まちの表情」

特Gキムラ〈06〉です
なぜか昨日はあったはずの記事が消失しておりましたので
再掲載です。
学校のPCと相性悪いんですかねぇ??自宅からやると
こんなこと今までなかったのですが…。


さて
今回私が選んだのは「福島区」です。

福島という町は、大阪梅田の北側に位置します。
戦争でも焼け残った長屋も多く、私が幼い頃も年寄りの多いまちでした。
近年では、その利便性からたくさんのマンションが立ち並び
いつの間にやら、北梅田 なるキタの北って何やろうというような
新エリアがマンション・ビルの名称として出来たり
(昔からあるマンションは「大淀」とか「福島」のままです)
阪神電車で言えば梅田から二駅先の自宅の前に「曽根崎通」が伸びてきたり
梅田の影がどんどん伸びてきて侵食され、その姿が大きく変わってきています。
その姿を全体の形態として表しています。

全て白い素材で統一し、影が落ちる様を強調しました。
ダンボールを使ったのは、切り口の波模様を横並びの
「長屋」のイメージとしています。
スチレンボードはそれらを押し上げていく近代化、ビル、マンションの象徴です。
淀川と大和川に挟まれて、港も近い一帯の地域が昔は三角州だったことから
全て三角形で地盤、地層のようにしています。


私は、近代化やマンション群が出来ていることが
必ずしも悪いことだとは思っていません。
区内の小学校も、私の幼少期には一学年一組しかありませんでしたが
現在は4組まであったり、公園では子供の声が昔より多くなりました。
長屋が減っているのは寂しいことでもありますが
そういった変化が福島というまちを押し上げているのは
間違いないと思います。
ですから、三角形で構成した全体の中で最後の一枚〈現在〉は
六角星にし、人口が3から6に増加し、希望〈星〉の形になるようにしています。

三角形をずらしながら重ねているのは、影を作る意味でもありますが
中をくりぬくことで、上から見た時にも「侵食」部分感じるようにし
更に、底の割れた三角形が覗くことが出来ます。
割れた三角は、福島がまだ「飢餓島」と呼ばれていた頃の
福島が生まれる前の色んな中ノ島のような土地があった地盤です。
ちょっと深く福島を知らないと見えない
表情の「底」に見えるものという表現にしています。


そして、ひっくり返すと枝垂れる藤の様子に変化します。
「表情」は表のことですが、そこには心が存在し
裏側も必ずあると思います。
表面が少々ネガティブな町を表していますので
裏側に綺麗なものを作ろうと思い、所謂「フジ」の和名にもなっている
ノダフジ」を模しています。
野田界隈が大昔は藤の名所であったことから「ノダフジ」という名前が
つけられました。
まちの誇りというか、シンボルであり、最近は藤の名所として復活させよう
というような活動もしています。

私はこの造形を、福島区役所の玄関前に8〜10m級のオブジェとして
設置すると(勝手に)考えたので
人々がこれに近づいた時、見上げたところに藤が見えたらとても綺麗だろうな
と考えました。
ただ、一見しただけでは藤らしくはない形なので、ヒントのような意味で
底辺部分には側面にも藤色をつけています。

タイトルを「影に咲く花」としたのは、
都会〈梅田〉の影に侵食されながらも咲く花でもあり
藤棚の影の下に連なる藤の意味でもあります。


⇒teacher
窓際での写真の構図、なかなか工夫の跡があり良いですね!!


キムラさんの、野田を愛する思いが溢れている作品です!
これだけ「形」に意味付けを持たせられるというのは
やはり、このまちに対する深い深い思いがあるのだなぁ〜と感心させられました。
上下を逆さまにする事で別の造形趣旨を表していくという手法を使う辺り
実に秀逸な作品です!
是非とも福島区役所にオブジェとして売り込みにいきましょう^^!!